「腰が痛いけど、なんで痛いのかよくわからない」そんな経験はありませんか?
実は腰痛の原因はさまざまで、最新のガイドラインでは大きく4つのタイプに分けられています。タイプを知ることで、適切な対処につながりやすくなりますよ。
この記事でわかること
- 腰痛の原因は「4つ」に分けられる
- ①脊椎由来の腰痛(骨・筋肉・関節が原因)
- ②神経由来の腰痛(神経の圧迫が原因)
- ③内臓・血管由来の腰痛(体の内側が原因)
- ④心因性の腰痛(こころの影響が原因)
- どのタイプか見極めるためのポイント
腰痛の原因は「4つ」に分けられる
腰が痛くなる原因は、じつはひとつではありません。腰痛診療ガイドライン2019では、腰痛の原因を大きく「脊椎由来」「神経由来」「内臓・血管由来」「心因性」の4つに分類しています。
以前は「原因がわからない腰痛」が多いとされていましたが、医療技術の進歩により、今では腰痛のほとんどに何らかの原因が見つかるようになってきました。
① 脊椎由来の腰痛|骨・筋肉・関節が原因
背骨(脊椎)そのものや、まわりの筋肉・関節・椎間板などに問題が起きることで生じる腰痛です。腰痛のなかでもっとも多いタイプです。
代表的な病気:腰椎椎間板症、腰椎すべり症、筋筋膜性腰痛、変形性腰椎症など
「重いものを持ったら腰が痛くなった」「長時間同じ姿勢でいると腰が張る」といった経験のある方は、このタイプに当てはまることが多いです。
脊椎由来の腰痛の多くは、適切な運動や姿勢の改善で症状が和らぐことがわかっています。理学療法士によるリハビリが非常に効果的なタイプでもあります。
② 神経由来の腰痛|神経の圧迫が原因
背骨の中を通る神経が、椎間板や骨棘(こっきょく)などによって圧迫されることで生じる腰痛です。足へのしびれや痛みを伴うことが多いのが特徴です。
代表的な病気:腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など
「腰だけでなく、足の方までしびれる」「歩いていると足が痛くなって休まないといけない」といった症状がある場合は、このタイプを疑います。
⚠️ 足の力が急に入らなくなったり、排尿・排便に問題が出たりする場合は、早めに医療機関を受診してください。
③ 内臓・血管由来の腰痛|体の内側が原因
腎臓や消化器、血管などの内臓に異常があるときに、腰の痛みとして現れることがあります。腰の骨や筋肉ではなく、体の内側からくる痛みです。
代表的な病気・状態:尿路結石、腎盂腎炎、大動脈瘤、子宮内膜症など
「体勢を変えても痛みが変わらない」「発熱や血尿などの症状もある」という場合は、内臓由来の可能性があります。このタイプはセルフケアではなく、医療機関での検査が必要です。
④ 心因性の腰痛|こころの影響が原因
強いストレスや不安、うつなど、こころの状態が腰の痛みとして現れることがあります。「気のせい」ではなく、れっきとした腰痛のひとつです。
関連する状態:慢性的なストレス、職場環境、不安・うつ傾向など
ガイドラインでも「心理社会的因子」が腰痛に大きく影響することが明記されています。検査をしても原因がわからない慢性的な腰痛は、このタイプが関わっていることがあります。
💡 心因性の腰痛だからといって、痛みが「本物でない」わけではありません。体の痛みと同じように、きちんとケアが必要です。
どのタイプか見極めるためのポイント
4つのタイプを自分で完全に見分けるのは難しいですが、次のような点が参考になります。
- 足のしびれや痛みを伴う → 神経由来を疑う
- 発熱・血尿など他の症状もある → 内臓由来を考える
- ストレスが多い時期に悪化する → 心因性も考慮する
- 動いたり姿勢を変えると痛みが変わる → 脊椎由来が多い
ただし、自己判断はあくまで参考程度に。気になる症状が続く場合は、医療機関や理学療法士に相談することをおすすめします。
まとめ
腰痛の原因は「脊椎由来」「神経由来」「内臓・血管由来」「心因性」の4つに分けられます。タイプによって対処法が異なるため、自分の腰痛がどのタイプに近いかを知ることが、適切なケアへの第一歩になります。
「腰が痛いからとにかく安静に」ではなく、原因に合ったアプローチをとることが、最新のガイドラインでも推奨されています。
※この記事は腰痛診療ガイドライン2019をもとに、理学療法士が一般の方向けにわかりやすくまとめたものです。診断や治療については、必ず医療機関にご相談ください。
